[編集] 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館
[出版社] 人間文化研究機構国立歴史民俗博物館
[発行年] 2020年
[状態] B　
[コメント] 重要文化財やユネスコ「世界の記憶」を含む280点以上の資料を通して、ジェンダーが日本社会の歴史のなかでどんな意味をもち、どう変化してきたのかを問う展覧会の図録
目次
プロローグ　歴史のなかのジェンダー　横山百合子
第1章　古代社会の男女
古代の政治空間における男女
1.ジェンダー区分の始まり　古墳時代
前期　男女首長の普遍性
中期〜後期　男女首長の優勢と女性小首長の存続
埴輪にあらわされた男女
女性を中心とする埴輪群像
機織技術の変遷と織成労働　弥生・古墳時代から律令期まで
コラム:時を超え、腰機で布を織る
2.ジェンダー区分の確立　律令国家
転換期の系譜と戸籍
朝廷の儀式と男女官人
伊福吉部徳足比売臣
地方政治空間の男女　女子群像板絵
男女の人形
コラム:青谷横木遺跡　その風土　
古代の生活空間における男女
3.サトの生活　男女の協働
サトの祭祀と男女
サトのくらしと男女
4.　耕す　男女の労働と経営
田植えをする男女
「勧請板」祈願の男女
第2章　中世の政治と男女
政治空間と女性
1.御簾の向こうの女性たち
2.女院と女房のはたらき
女院を支えていた官人・貴族たち
女房の出仕とその意義
コラム：八条院関係文書からみえるもの
第3章　中世の家と宗教
「家」と「宗教」を切り口に見る中世社会
1.家の運営と財産
家を統率する女性たち
女性の財産と処分権
2.宗教と女性
コラム：像内納入品にみる結縁の形態とジェンダー
髪繍を通してみる中世の信仰と文化
絵巻にみる尼たち
コラム：高麗の結縁交名
第4章　仕事とくらしのジェンダー　中世から近世へ
「男の仕事」「女の仕事」を相対化する
1.中世の仕事とくらし
コラム：後家尼
巫女たちの減免要求
コラム：巫女
中世から近世へ
2.職業へのまなざし
「職人」と「女職人」
髪結と女髪結
文明開化の波と働く女性へのまなざし
課税を逃れる女性たち
コラム：どんじゃ　と　ぼどこ
コラム：城下町の民衆世界に生きた女性
3.記号化する早乙女
コラム：外国人がみた田植え
自然と向き合う
第5章　分離から排除へ　近世・近代の政治空間とジェンダーの変容
奥と表
1.表と奥
表と奥の成立
江戸城大奥の構造　奥女中と広敷役人
大奥と庶民女性
武蔵国生麦村関口千恵の大奥奉公
藩政を支える大名正妻の役割
コラム：奥向奥方の閉鎖性と被災リスク
奥女中と男性役人　仙台藩伊達家を例に
動乱期の家と正妻
コラム：御城使　使者としての奥女中のはたらき
近世　近代移行期の中央政治における政治空間と君主のジェンダー
2.奥の消滅と女性の排除
ジェンダーからみた明治国家の政治
第6章　性の売買と社会
性の売買の歴史を考える視点
1.中世の遊女　家と自立
遊女の家と女系相伝
社会の一員としての遊女たち
遊女集団の変容　中世から近世へ
コラム：遊女の仕事風景
2.近世遊郭の成立　商品化される遊女
近世身分制社会と近世遊郭の成立
遊郭を支える金融ネットワーク
買う男たち
維新政権と新吉原遊郭
3.遊女の群像
扇屋花扇　　憧れ
稲本屋小稲　　重立ちの責任
梅本屋桜木・豊平・小稲　「書く」ことの意味
遊女豊平の「日記」写
遊女桜木の自筆日記「おぼへ長」
コラム：大店事件簿
コラム：新吉原稲本屋抱え遊女小稲の書状
4.芸娼妓解放令の衝撃
芸娼妓解放令の歴史的意義
5.近世遊郭の再編と近代公娼制度の展開
遊郭と地域社会
性売買と医療
性を買う男たち
娼妓　　「自由意思」という建て前のもとで
娼妓たちの苦闘　自由廃業と住替え
八日市新地
持続する遊郭
コラム:娼妓に賞与金？　「待遇改善」の限界
第7章　仕事とくらしのジェンダー　近代から現代へ　
ジェンダー射程から考える「近代」
1.女性の職業の誕生
職業のジェンダー化
「家庭」と「主婦」　おもに音楽との関わりから
コラム：石井筆子(1861-1944)と天使のピアノ
コラム：西洋音楽の手法で沖縄音楽の魅力を伝えた作曲家　金井喜久子(1906-1986)
女性官吏の近代
2.　労働者としての女性
工場労働とジェンダー
鉱山労働とジェンダー
コラム：「足は医者から治してもろうたんやない。貧乏が治してくれた。」
3.アジア太平洋戦争後の社会
戦後の女性官僚
ミード・スミス・カラスと婦人少年局地方職員室の女性たち
コンピューターとジェンダー
コラム：紙芝居の力
コラム：コンピューターの専門職
甦る「口伝集」　佐倉市和田の機織り技法復元と現代の主婦たち
エピローグ　ジェンダーを超えて　村木厚子さんに聞く
翻刻編
掲載資料一覧
図表一覧
主な参考文献

サイズ：29.5×20.8cm　ソフトカバー　314, 5ページ